水の滴る色 (2)

2011年10月26日

今日の空は抜けるような青空で、綺麗な水色だった。写真を撮ったのだけれど、カードリーダをスーツケースにしまってしまったので載せられない。

一日中バタバタと動き回る最後の休日。明日出発だなんて思えないような、でも動いていた時間全てが、明日に向かっていく、いい気分で車のハンドルを握っていた。
最後じゃないよ、必ず帰ってくるんだ。そう言い聞かせるけれど、とりあえず一ヶ月おあずけになるから、いろんなことを適度にこなす。

積み重ねたままの本を本棚に戻した。
書類はさすがに入らなかったから、まとめた。
写真を刷った。
カメラはしまった。
パソコンのデータを整理した。
ゴミを出した。
畳んだまま放置されていた服をタンスにしまった。

そういうひとつひとつが、なんだか心地いい。

その瞬間が水彩画にしたら美しいんだろうな、と思ったら、帰り道はずっと『絵に描いたとしても時と共に何かが色褪せてしまうでしょう』 の歌詞の部分がエンドレスに響いて、水で絵の具を溶くイメージが離れなかった。

この間、友達からTwitterで「(ブルガリアの首都の)ソフィアってどんな印象でした?色とか。」と聞かれた。それに対して僕は「ソフィアは、白と緑と灰色のイメージです。樹々が多くて、建物が白い。でも灰色の印象も強い。」と返した。
町を訪れるたび、その町を色のイメージで喩えていたのはカンボジアに、初めての独りでの海外旅行をしたときからだった。今度訪れる町はどんな色なんだろう。
やっと実感がおりてきた。

明日、早朝の電車に乗り、昼の便でアゼルバイジャンへ向かいます。