水の滴る色 (5)

2011年10月29日

今朝は朝早くに起きて、メールを打つ。でもあとで朝食を摂りながら手帳を見返したら、言われた通り、時間を間違えていた。
何をどう読み間違えたんだろう、と呟いたら、アツシさんに笑われた。

朝5時に起きてメールを打つ。
朝7時までもう一度眠って、今度は電話をかける。スカイプが繋がらなかった。ケータイが通じるって便利なんだなと今更感心する。今までケータイも不携帯だったくせに。

電話で「行ってらっしゃい」を言う。
源さんの歌はだいぶ自分に染み込んだ気がする。

電話をしている間中、僕は路地にいたのだけれど、誰も通らず、この人がすれ違うのがやっとくらいの細い路地を照らす街灯と雨粒が美しい、と思った。その黒に沈む、綺麗なグラデーション。電話をするたびに、こういう「電話をしながら見ていた風景」がぼくの中に思い出されるようになっていくんだな、と思った。
それが降り積もってひとつの色になればいい。

雨は止んだけれど、水は滴る。

朝9時ごろまで、ごろごろとベッドの中で時間をつぶした。眠れなかった。
当然と言えば当然。だって7時間は眠った。それ以上は過剰だろうさ。

朝9時。今朝はちゃんと朝食がある。
バケット、チーズ、サラミソーセージ、林檎、濃過ぎるオレンジジュース、それに紅茶。

猫が僕らの朝ご飯を狙っていて、アツシさんがサラミの皮でじらしたら、食べてしまった。
大丈夫か猫。

これからもう少ししたら町へ出る。今日はどんな景色だろう。