水の滴る色(14)

2011年11月8日

昨日はなんだかあっという間に1日が過ぎてしまって、ブログを書く暇さえ無かった。
8日、朝起きたら10時を回っていて、寝すぎたな、でもまだ眠たいな、と思いながら、その前の晩から決めていた予定を消化するべく、準備して出かけた。
日本ではあまり行かなくなったマクドナルド。久しぶりに行った。朝ご飯、ビックマックを食べる。

日本で食べてる時はなんともない、と思うのだけれど、さすがにこっちのポテトとコーラは大きくて、最後の方は苦しかった。
胃袋、小さくなり始めています。冬だな、と思う。

最近は、少しの塩気でも「しょっぱい!」と感じるようになって、みんながケチャップとか何かソース的なものをつけて食べてるポテトを、僕はしょっぱいじゃん、と思いながら、うす塩味で食べてしまった。

それからトレチャコフ美術館に行く。
泊まってから気付いたのだけれど、僕が滞在しているホステルは「トレチャコフ駅」まで徒歩2分程度。つまり、美術館が超近いのだ。モスクワで要チェック、的なことが地球の歩き方に書いてあったので、行ってみた。
が、
色々思う所はあるのだけれど、僕は全然楽しめなかったのだ。

入場券は学割が使える。普通なら450pのところ、300pで楽しめる。それはすごく素晴しくて、クロークに上着を、ラゲッジルームに荷物を預ける所まではスムーズだった。
宮殿みたいな建築、カッサやクロークのロビー、展示室への階段、全てが素晴しくて、僕は感動してわくわくしていた。
しかし、展示室に入ってみると、急にギャラリーが簡素になり、更には蛍光灯が反射してどの角度から見ても綺麗に見えない絵がある…。あれ、ここ、モスクワ最大の美術館なんじゃないの?という思いが邪魔をして、集中できない。

イコンの圧倒的な量と、所狭しとかけられた絵画の数々はすごかった。コレクションはすごい。でも、本当に「所狭し」で、もう少し、レイアウトを考えて欲しい、と思った。
作品の質も大事だけど、レイアウトも大事。出し惜しみしないところと、他の所が工事中なところを考慮すれば我慢はできるけれど、あまりにも見にくくて辛かった。2時間かけて観切ったが、ぐったり疲れて、あの面積に対する量じゃない、と思いながら、大量のメモを保存した。

それからマトリョーショカ博物館へ足を運ぶ。
この間のリベンジだ。写真を撮り忘れてしまったのだけれど、マトリョーショカ博物館はとてもわかりにくいところにある。しかも小規模!なんていたって、とある小道から中庭に入って、そこにあるとあるカフェの建物の通用口から進んだ2階にあるのだから。
これ、わかりにくいけれど、「ここだよ、こっちだよ」サインがなんとも言えずかわいらしかった。この写真を撮り忘れたのだけがモスクワの後悔だ。
なんと、アスファルトの地面に、マトリョーショカのスタンプが「ムジェー」という文字とともに押されていて、それを辿って行くと入り口に行けるのだ。
モスクワは、看板は少ないけれど、そういう目印が多い。まさか地面にそんなサインがあるなんて、モスクワ到着すぐにはわからなかったが、今ではなんでこんなことになっているのかなんとなくわかる。

寒いと、ポケットに手を入れ、マフラーに顔を埋め、背を丸めて歩く。風が冷たいと、顔も上げられない。自然に顔が下を向くのだ。
モスクワはなんとなく暗い雰囲気、という印象を受けたけれど、たぶん、それはみんながそんな風にして歩いているからだと思う。子どもだけが、元気にはしゃぎまわっている。
まぁ、雪降って積もったら見えねぇよって思うけど、除雪すれば…。どうなんだろうか。真冬ではないので、そこは推測の域を出ない。

マトリョーショカ博物館はホントに小さい。なんていたって、普通の建物の3部屋分しか無い。だいたい8~10畳×3部屋、という感じか。そこに陳列されたマトリョーショカはすごく美しくて、中にはこけしもあった。本物のこけし。日本人が日本で作ったものが展示されている。マトリョーショカは一節によると、日本のこけしがロシアに伝わって、今の姿になっていった、という。こけし、すごい。海と大陸を渡ったんだね。
で、そのマトリョーショカ博物館には、伝統的なものから、現代作家の作品まで幅広く取り扱っていて、その場で買うことが出来る。おみやげにいくつか買い込んで、温かい気持ちで後にした。
ちなみにここではマトリョーショカ制作体験もできる。僕が行った時は十数人の子どもたちがわいわい賑やかに作っていた。

それからモスクワのビジネスセンターのあるキエフ駅北へ向かう。
向かうが…、建設中の広い面積と、高いビル、吹き付ける吹雪。人はまばらで、何人かに声をかけるも、「はずかしいよ、写真なんて撮らないでよ」の連続。へこんで、帰ってきた。からだもこころも寒い気分だった。

部屋に帰って、遅いお昼を食べ、それから早いシャワーを浴び、軽く眠って、夜は遅くまでホームページ更新作業をしていた。

ホームページができあがった。
よろしくです。
http://yamaichinaosuke.info/